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リハビリ室コラム / Rehabilitation Column

第6回 日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS)参加記 横浜市スポーツ医科学センター リハビリテーション科 中田 周兵(理学療法士)

 『第6回 日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会:JOSKAS』が、7月24-26日の3日間、広島国際会議場および広島市文化交流会館にて開催され、当センターからは整形外科医師および理学療法士が参加しました。会場は平和記念公園の中にあり、近くには原爆ドームもありました。

 本学会は、「創造力は未来を拓く」というテーマを主体に、一般演題は口演として559演題とポスターとして393演題もの発表が行われました。本学会は医師が中心の学会で、手術に関する研究報告や講演が多いのですが、保存療法・リハビリの重要性を示している発表が以前より増えている印象を受けました。私たち理学療法士としては、そのような考えを持ってくださる医師の期待にもしっかり応えられるよう、日々の臨床を精一杯頑張らねばいけないと再認識致しました。

 当センターからは清水邦明医師(整形外科)が発表致しましたので、発表内容を以下に簡単にご紹介します。

清水邦明 「スポーツ選手における膝前十字靱帯(ACL)再建術後のスポーツ復帰」

 当センターにおける、スポーツ選手に対するACL再建術後の経過を、スポーツ復帰状況を中心に検討したという発表内容で、再建術を施行した選手のうち、99%の症例でスポーツ復帰が可能であり、術後のスポーツ復帰までには平均6.9ヶ月を要し、自覚的にフルパフォーマンスを獲得した時期は平均10.4ヶ月後であったと報告しました。

 ACL損傷後にスポーツ復帰を目標にするためには、再建術およびリハビリが必要であり、本学会においても、術後成績やリハビリに関する報告が多く見られました。一方で、手術手技やリハビリが進歩してきているのにも関わらず、未だにスポーツ復帰が不可能な選手も報告されているのが現状です。当センターでは、先に述べたほぼ全例の競技復帰を継続し、可能な限りより安全で最短のフルパフォーマンス獲得を追求していきたいと思います。

 本学会では特別企画として、元広島東洋カープの衣笠祥雄氏と、野球解説者の二宮清純氏による対談「勝者の思考法」が行われ、トップアスリートならではの貴重なお話がたくさんあり、多くの参加者が耳を傾けていました。

 さらに、ACL再建術の研究で世界をリードしている、北海道大学の安田和則先生とピッツバーグ大学のFreddie Fu先生の特別講演が行われました。特に、安田先生の講演では、若い医師に向けて熱いメッセージが込められていたのが印象的でした。時流は追いすぎないこと、自らの信念を持ってオリジナリティを追求すること、科学的な思考をしっかり持つこと、継続することが大切であること、論文を書いて世界に意見すること、これらは私たち理学療法士にも全て当てはまることであり、改めて自分のこれからのやるべきことを考え直す良い機会となりました。

 今回学会に参加したことで、手術療法か保存療法のどちらにおいても、私たち理学療法士は、選手をいかに安全にそして早くスポーツ復帰へと導けるかを追求していく必要があると強く実感しました。

 今回は暑い暑い広島での開催でしたが、次回は来年6月に札幌で開催予定です。6月の北海道はとても過ごしやすく清々しいですので、ぜひまた参加したいと思います。