第12回日本スポーツ理学療法学会学術大会 参加記
2025年11月29日・30日の2日間にわたり、第12回日本スポーツ理学療法学会学術大会が、札幌市教育文化会館にて開催されました。リハビリテーション科から3名の理学療法士が研究発表を行いましたので、以下にその概要をご報告いたします。
小林 優理亜:ジュニア男子体操競技選手の捻りの方向、ロンダートの方向と関節可動域、柔軟性との関連
小中学生男子体操競技選手の捻り、ロンダートの方向が関節可動域、柔軟性へ及ぼす影響を検討しました。ロンダートの先に着く手をロンダート方向とし、ロンダート反対側の広背筋タイトネスがロンダート方向側に対し有意に大きい(硬い)結果となりました。また、捻り反対側の肩関節内旋(肩最大挙上位)可動域が捻り方向側に対し有意に小さく(硬い)、捻り反対側の広背筋タイトネスが捻り方向側に対し有意に大きい(硬い)結果となりました。捻りとロンダートの方向により、関節可動域、柔軟性に差が生じることがわかりました。今後、こうした左右差が体操競技選手のケガの発生やその予防の要因になり得るか検討していきたいです。
今後も自身の研究や学会で得た知見を診療や現場での活動等に活かし、ケガの予防にも貢献できるよう精進して参ります。
田中 大夢:公立高校の学校全体の部活動を対象とした理学療法士の介入が教員に与える影響と課題の分析
当センターでは、横浜市立横浜商業高校に週2回の理学療法士派遣を行なっております。単一の部活動のみ対象ではなく、全部活動・全校生徒を対象とした理学療法士のスポーツ現場での活動は国内でも類を見ません。今後、国内で同様の活動が発展していくために、この活動における需要・課題・効果について、高校教員の方々がどのように感じているかを調査し報告しました。現場では、理学療法士によるケガの対応やセルフケア指導などの教育が求められており、実際に利用されている部活動では、セルフケアの習得・ケガの予防などの効果を実感されていました。しかし、"理学療法士が何をしているか"認知が不足していることが課題にあがりました。
佐野 佑斗:最大速度片脚ブリッジテストにおけるハムストリング最大筋活動時の関節角度はスプリント受傷肢位に近似するか?- Nordic Hamstringとの比較 -
昨年、ハムストリング肉ばなれのための新たな機能評価方法として最大速度片脚ブリッジテスト(MS-SLBT)を開発しました。本研究ではMS-SLBTと従来から最も使用されているノルディックハムストリングの動作と筋活動の関連を比較しました。その結果、MS-SLBTが最も受傷するスプリント時の関節角度にてハムストリングに高い筋活動が要求されることが明らかとなりました。この結果はMS-SLBTが受傷機転に即したハムストリング機能評価法として有用である可能性を示唆しております。
今後はハムストリング肉ばなれの初発・再発予防のために、MS-SLBTの有用性を示す研究をしていきます。


