横浜市スポーツ医科学センター

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リハビリ室コラム / Rehabilitation Column

腰椎分離症のリハビリテーション リハビリテーション科 木村 佑(理学療法士)

 腰椎分離症は、成長期のスポーツ選手に生じる障害で、繰り返しの負荷による腰椎(腰の骨)の疲労骨折が原因と考えられています。バスケットボールやバレーボール、ダンスなど腰を反る動作を反復するスポーツやサッカーや野球、ラケットスポーツなど体をひねる動作を反復するスポーツ選手に生じやすいと言われています。

 腰痛には、筋疲労などから疼痛が生じているケースや腰椎分離症や椎間板ヘルニアのように構造的な破綻により疼痛が生じているケースなどその原因は様々です。選手の中には、たかが腰痛だからと問題を軽視し、自己判断で練習を継続している方も少なくないようですが、腰痛自体は必ずしも軽視して良い症状ではなく、場合によっては運動休止を必要とする場合もあります。本コラムであげる腰痛分離症も腰部の構造的破綻が原因となる軽視してはならない腰痛の一つです。

 腰椎分離症は、腰を反る動作をすると腰の付け根のあたりに痛みが生じるのが特徴的で、圧痛や熱感を伴うこともあります。骨の癒合が期待できる場合においてはコルセットによる固定や数ヶ月間の運動休止を行い、骨の癒合の可能性が低い場合においては、リハビリにより機能改善を図りながら疼痛の程度に応じて段階的にスポーツに復帰します。機能改善を図りながら競技復帰を目指す場合においては、(1)脊柱や股関節の可動性の改善、(2)体幹深部筋の強化、(3)体幹深部を意識した動作の獲得を目的にリハビリを行います。

(1)脊柱や股関節の可動性の改善

 股関節や背骨の正常な運動を獲得する事が最初の課題となります。股関節や胸部の動きが小さいと腰部への負担が増大するため、骨盤や背骨のねじれや股関節の可動域の改善を行います。

(2)体幹深部筋の強化

 また、体幹深部の筋群の活動が骨盤帯や背骨の安定性に寄与するため、体幹深部の筋力トレーニングを積極的に行います。体幹のトレーニングは単一の姿勢のみでなく様々な姿勢でのトレーニングを組み合わせると効果的です。

(3)体幹深部を意識した動作の獲得

 さらにスポーツ活動においては、背骨を最大限に反ったり捻ったりする動作が行われるため、スクワット姿勢やスイング動作など様々な運動の中で正常な筋活動が生じるように運動学習をしていく必要があります。

 前述したように、腰椎分離症は骨の癒合が期待できる場合には装具固定やスポーツ休止などが必要となります。その判断には詳細な検査が必要となるため、成長期に腰痛が生じた場合は速やかにスポーツ整形外科を受診する事をお勧めします。