横浜市スポーツ医科学センター

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体験談

窪倉 隆さん(67歳):慢性腰痛、"カナヅチ"から水泳マスターズ、フルマラソンに出場

1998年10月3日(SPS初回受診)/2017年11月18日(SPS20回目) 受診

窪倉さんは、横浜市スポーツ医科学センターが設立された1998年(当時48歳)にSPSを初受診し、それから毎年SPSを受診して今回が合計20回目になりました。
SPSを受診する前の窪倉さんは、慢性的な腰痛に悩まされていて、なんとかそれを改善したいと思いSPS受診後に水泳教室に入会しました。水泳を始める前の窪倉さんはいわゆる"カナヅチ"でしたが、持ち前の真面目さと努力で10年後には水泳マスターズ大会に出場できるまで上達しました。そして、その頃には腰痛は軽減し、季節の変わり目のひどい痛みも少なくなっていたとのことです。
また、窪倉さんは水泳教室の仲間に誘われてジョギングも開始しました。海岸沿いのレースや山間のレース、ロードレースにも参加するようになり、走ることの楽しさや達成感の虜になりました。そして、昨年の湘南国際フルマラソンでは、5時間16分09秒で完走することができました。
20年前には慢性の腰痛持ちで体力的にも劣っていた窪倉さんが、その後腰痛を克服し、水泳マスターズ大会に出場、フルマラソンを完走できるようになるとは誰も想像してなかったのではいでしょうか?
"ランニングは水泳と異なり重力の影響を受けるため、筋トレの必要性を感じてウェルラウンド教室(現筋力向上・姿勢改善教室)に入会しました"と体験談の中で窪倉さん。次は、フルマラソンを5時間以内で完走することを目標にトレーニングを頑張っていらっしゃいます。

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【窪倉 隆さんから頂いた手記】

1998年、初めてSPSを受診しました。キッカケとなったのは、慢性の腰痛です。秋から冬への季節の変わり目がひどく痛み、その痛みの対策は、腰周りなど体幹を鍛えることが、腰を固定するコルセットと違い、長期的な腰痛改善が望めると聞きました。特に水中での運動は浮力により背骨への負担が軽減され、腰痛の筋トレには最適とのことで、水中運動ができる施設を探していました。 その時期に、横浜国際総合競技上(現日産スタジアム)で「神奈川・ゆめ国体」(1998年10月)が開かれ、観戦に行った時、横浜市スポーツ医科学センターのリーフレットで水泳教室などの施設概要を知りました。腰痛は完治することが少ないと言われていたので、『一生のもの』と思い、自宅に近く、諸設備が充実し、気長に続けられる、この教室に入会することにしました。その入会条件にSPSの受診がありました。 10年ほど続け、指導員の方のおかげで、生来のカナヅチが曲がりなりにもマスターズ大会に出られるほどになった時には、腰痛は軽減し、季節の変わり目のひどい痛みは少なくなりました。その頃、水泳教室の仲間から誘われ、教室開始前の30分~1時間、ジョギングを始めました。そして、その仲間とロードレース大会に参加、海岸沿いのコースで砂浜に足を取られ、秋の山間コースの坂道で苦労しました。しかし、スタート時の緊張と高揚、潮の香り、紅葉の彩り、完走できた達成感など、ロードレースの醍醐味を味わい、その虜になりました。 ランニングは水泳と異なり、重力の影響を受けるため、筋トレの必要性を感じました。また、一人でのトレーニングは長続きに限界があると考えて、ウェルラウンド教室(現筋力向上・姿勢改善教室)に入会しました。 トレーニングを続けた最近の成果は、昨年12月に開催された「湘南国際フルマラソン」の完走が挙げられます。制限時間は6時間30分、完走目的ランナー(遅いランナー)はスタート順が後方で、そのスタートロス(30分)給水・給食ロス(15分)、トイレロス(15分)、実質走行できる時間は5時間30分です。平均ペースにすると約7分50秒/kmです。このコースは、海岸線の割には小さなアップダウンがあり、意外とハードで苦労しました。しかし、江ノ島と富士山を背景に、道路沿いの応援と潮風を受け、平均ペース7分30秒/kmで完走、レースを楽しむことができました。 これは、SPSのデータとアドバイス、各教室指導員の方々からの指摘と指導を活用したトレーニングの成果と感謝しています。 腰の痛みは、まだ残っていますが、年を重ね、林住期半ばを過ぎた「今」、日々のトレーニングを活かし、うまく付き合って行こうと思います。

【今回の結果から窪倉さんへのコメント】

窪倉さんが48歳で初めてSPSを受診したときの脚筋力(膝関節伸展トルク)は、体重1kg当たり1.95N・m(ニュートン・メートル)しかなく、これは体力年齢で評価すると70歳(実年齢+22歳)に相当するかなり低いレベルでした。しかし、今年20回目となるSPSでは、体重1kg当たり2.59N・mを記録し、体力年齢では46歳相当の評価が得られました。実年齢は19歳年を取ったわけですが、脚筋力の年齢は70歳から46歳に若返ったことになります(図1および図2参照)。 次に、窪倉さんの骨量(音響的骨評価値:OSI)は、SPS初診時には年齢標準値を15%も下回っていて、"要精密検査"(骨粗鬆症の疑いがあり精密検査を必要とする)に相当するレベル(75歳平均値)でしたが、その後増加傾向を示し、今回のSPSでは年齢標準値を20%も上回るレベルに達していました。これは骨粗鬆症予防財団が示す男子20歳標準に相当するレベルです(図2参照)。 さらに、窪倉さんは全身持久力の指標であるPWC75%HRmaxでも向上がみられました。この測定は、自転車エルゴメーターを漕ぎながら、決められた心拍数(〔220-年齢〕×0.75)のときに漕げる負荷の大きさを測るものなのですが、20年間という長期スパンにおいてこの指標に向上がみられた方は、SPS受診者の中でも希少といえます。 窪倉さんは、SPSを初受診後、水泳、ジョギング、ロードレース、フルマラソン、筋力トレーニングへと徐々に運動の強度や量を高めていきました。今回のSPSの結果は、窪倉さんがこれまでに地道に続けて来られたトレーニングの成果に他ならないと思います。 窪倉さんにいただいた手記の最後の行にもありますが、"これからも日々のトレーニングを活かし、腰の痛みともうまく付き合って行きながら"、是非フルマラソンで5時間を切れるよう頑張って欲しいと思います。(スポーツ科学員 今川泰憲)

図1.窪倉さんの「体力年齢・ロコモ度判定結果表」

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図2.窪倉さんの脚筋力、骨量、全身持久力の推移

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中村紘子さん(75 歳):62歳から13年間続けたトレーニングで、脚筋力が50歳から20歳に若返りました。

2004年3月5日(SPS初回受診)/2017年2月25日(SPS14回目)受診

 中村紘子さんは、約15年前の60歳を過ぎた頃、朝起きたときに腰が痛い、真っ直ぐに立って歩けないなどの症状が出て整形外科(他院)を受診し、腰部脊柱管狭窄症と診断されました。"このままでは要介護、寝たきり状態になってしまう"という恐怖を感じ、"これを防ぐには、運動をして筋肉や骨の量の減少をゆっくりさせる努力をすることだ"と思い、SPS(スポーツ版人間ドック)を受診後にトレーニング教室(現在の「筋力向上・姿勢改善教室」)に入会して運動を開始しました。

教室でトレーニングに汗を流す中村紘子さんのご様子

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教室入会前の中村さんの脚筋力(膝関節伸展トルク)は、体重1kg当たり1.83N・m(ニュートン・メートル)でほぼ年齢平均に近い数値(体力年齢50歳)でしたが、13年間トレーニングを継続した現在では2.23N・m/kgになり、体力年齢では20歳の評価が得られるまで向上しました。
また、心配していた骨量も、最初は骨粗鬆症予防財団が示す年齢標準値(平均値)を4%下回っていましたが、14年間でほとんど減少することなく、現在では年齢標準値を3%上回るレベルを維持しています(以上、図1.中村紘子さんの「体力年齢・ロコモ度判定結果表」、および、図2.中村紘子さんの脚筋力、骨量、柔軟性の推移を参照)。
"今では痛みは忘れて生きています"という、中村さんに頂いた手記の最後の一言がとても印象的です。

図1.中村さんの「体力年齢・ロコモ度判定結果表」(平成29 年SPS 受診結果から)

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中村紘子さんの脚筋力(膝関節伸展トルク)、骨量(音響的評価値)、柔軟性(長座位体前屈)の推移

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〔中村紘子さんからいただいた手記〕
「腰痛が教えてくれた運動の大切さ」

十四年前の六十歳を過ぎた頃から台所に長い間立っていると腰が張ってくるようになり、数ヶ月すると朝起きたときに痛みがあり、真っ直ぐに立って歩けないので身体を斜めにしてお風呂場に直行、熱めのシャワーをかけて痛みを取っていました。心配になり近所の整形外科を受診し、レントゲンの結果は脊柱管狭窄症とのことでした。治療は、ベッドに横たわり腰にベルトをして器械で引っ張るのです。次は温熱治療器で温めて帰りに貼り薬を貰って帰ります。痛みのある時は毎日通い、痛みにも波があって調子の良い時は二~三日に一度、同じことを繰り返していました。この治療で多少の痛みは軽減できるのですが、ずっとこの方法でいいのかしらという不安がありました。

 そんなある時、ラジオの腰痛のお話の時間があり先生のお話を聞くことが出来ました。先生は、腰痛は運動をすることによって自分で治せるというお話をされていました。根本的に治す方法を探していたので、このお話は本当に有難いものでした。その中のお話で、大きな病院にはスポーツ外来というのがあり療法士の指導を受けて運動をして動かすことによって自力で治す、これが一番の良い方法であるというお話でした。早速市大病院の整形外科に問い合わせたところ、 新横浜のスポーツ医科学センターを紹介されました。そこで、スポーツ整形外科を受診、病名はやはり同じでした。

 まず、診察の次にはリハビリをすることになり、リハビリ室では整形の先生のカルテに沿って、理学療法士の方々の指導を受けました。そこでは自ら身体を動かして治していく方法を教わりました。私の探していた方法でした。こうして、私の長年に渡る生活習慣で身につけてしまった正しくない姿勢や歩き方を正し、腰痛の原因を治していくものでした。正しい姿勢とは、知っているようで、鏡の前に立って指導を受けると正しくないのです。リハビリの帰りに、壁に貼ってあった「スポーツ版人間ドック」というポスターを見てスポーツにも人間ドックがあることを知り受けてみることにしました。

そこでは、内科健診とスポーツプログラムに沿って、筋力、持久力、柔軟性、他諸々の測定を受け、現在の自分の体力年齢を知るというもので、なんとも不思議な気持ちになったのを記憶しています。測定の後、結果を見ながら運動や食事の改善方法の説明を受けました。もしこのまま歳を取るにまかせていたら、筋肉も骨も減少していって要介護や寝たきり予備軍に移行してしまうという恐怖を感じ、これを防ぐにはトレーニングをして筋肉量や骨量の減少をゆっくりにさせる努力をすることだと思い、トレーニング教室に入りました。そして、一年に一回の「スポーツ版人間ドック」を受けて去年の結果をなるべく維持できたらと思い、結果を見ては喜んだり落胆したりして、自分の弱いところをトレーニングルームの先生に指導して頂き、出来る限り自立した生活が出来るように努力していきたいと思っています。
腰痛から始まった今日までの道のりは十四年が経ちました。今では痛みは忘れて生きています。

中村紘子